xUTP Magazine - 0001/巻頭言 Diff

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:書いた人:大中浩行(せとあずさ♂)([[@setoazusa|https://twitter.com/setoazusa]])

!はじめに
この度、xUnitを中心として、広く開発者が行うDeveloper Testtingに関する話題を提供するWebマガジン、「ぺけま」(xUTPマガジン)を創刊することとなりました。我が国で、技術コミュニティにおけるWebマガジンというと「[[るびま|http://jp.rubyist.net/magazine/]]」という大先輩がいますが、それにあやかって、Developer Testing コミュニティにおける同じような地位をいつか築きたいという願いがタイトルには込められています。

このWebマガジンは2009年3月から2011年3月まで行われたGerard Meszarosの [[xUnit Test Patterns|http://www.amazon.co.jp/dp/0131495054]](xUTP)の[[読書会|http://www.fieldnotes.jp/xutp/]]のコミュニティを母体にしています。この本は、ユニットテストの規模が大きくなるにつれて陥りがちなアンチパターンとその対処、フレームワークとしての詳解とその紹介とその上でテストを組織化する方法について余すところなくパターン化とした良書ですが、amazon.comのレビューでも批判されるほどのボリューム(883ページ)もあって、我が国のTestingに関するコミュニティにそのエッセンスが広く普及するには至っていません。このことは我が国の技術コミュニティにとって大きな損失であると考え、xutp読書会で得られた知見を紹介する場合を設けたいと考えたのが、このWebマガジンを立ち上げたきっかけです。

!理想と現実
xUnitによる自動化されたユニットテストは、テスト駆動開発(Test Driven Development:TDD)やアジャイル開発を基盤から支えるものです。システム開発が人月で見積もった予算から、どれだけ投入するコストを削減できるかという[[ディフェンシブな側面|http://d.hatena.ne.jp/kuranuki/20060116/p1]]から、顧客に継続して価値を継続できる基盤をどのようにして整備するかというオフェンシブな側面にシフトしていく中で、その重要性はますます増しているといえるでしょう。TDDについて、座学だけでなく、実習形式で手を動かして体得することを目的とするイベント[[TDD Boot Camp|http://devtesting.jp/tddbc/]] に多くのプログラマが自発的に参加していることは、その流れにのっとています。しかしながら、プログラムを継続して成長させていくという点に目を向けない、「作りっぱなし」な現場において、自らの持つスキルを生かすことの出来ないプログラマが疲弊しているということも、また事実です。

しかしながら、システム開発の現場において、顧客に価値を届けることに最も貢献できるのが誰かということを考えるなら、どんな現場においてもそれはプログラマをはじめとする技術者なのではないでしょうか。現実は厳しいですが、「君が質の高いソフトウェアを届けるのは誰にも止められない」([[アジャイルサムライ|https://github.com/agile-samurai-ja/]]から)のです。

!セカイヨカワレ
私は、ミッションを共有する仲間達が自発的に集うコミュニティが持つ力というのを信じていますし、そういう場を作り出す一員でありたいと考えています。プログラマ一人一人が知恵を持ち寄り、議論し、そして勇気づけることができる場が出来たときに、世界は変わることができると信じています。「ぺけま」は、そのための小さな一歩になりたいと考えています思います

話が大げさになりましたが、このコミュニティに集っている方々のスキルと資質に私は自信を持っていますし、この場に加わろうという意欲のある方はどなた様も大いに
歓迎します。

それでは、「ぺけま」をお楽しみください。