TDDBC開催の手引き
はじめに
この資料は、TDD Boot Camp を開催したいと感じた人向けの資料です。
TDD Boot Camp は、さまざまな場所で様々な言語で開催されています。 規模も5,6人から70人ぐらいまで、と様々です。
TDD Boot Camp を開催するには、「開催したい」という気持ちがあれば良いだけです。 後は、多くの方が協力して下さると思いますので、「TDDをもっと多くの人に知って欲しい」と思ったら、あなたも是非開催してみてください。
TDD Boot Camp の開催の仕方
開催までの流れ
- 開催の目的を決める
- 会場・講師・TAの目星をたてる
- 企画内容の決定
- 会場や資料の準備
- 直前の確認
- 当日運営
- 後日対応
各項目について、個別に見ていきましょう
開催の目的を決める
TDDBC を開催したいと思ったら、今までの開催を確認しましょう。
- TDDBCの運営ML(ぜひ参加しましょう!)
- TDDBCまとめページ
上記を踏まえて、今回は何のために開催するのか明確にしましょう。次の点を考えて見てください。
- 対象者
- 集客範囲
- 規模
たとえば、今回の目的は次のようになるかもしれません
- ~の地方で初めて開催したい
- ~の地方では、まだまだTDDを学びたい人が多いから
- 新しい言語で取り組みたい
- 中級者向けにより進んだ課題を学んでもらいたい
- 新しい展開に挑戦したい
会場・講師・TAの目星をたてる
TDDBCを開催するには、決めなくてはならないことがいくつか発生します。 開催日程はこれらの制約により決まりますので、なるべく早めに考えましょう。
会場
会場は、自分・知り合いが勤めている企業の会議室を借りられるかもしれませんし、近所の会議室が無料・格安で借りれるかもしれません。 近くで行われてる勉強会がどのような会場を使っているか確認して、候補をリストアップしましょう。
会場を借りる際に、以下の点について確認しましょう
必須項目
- 日程: 人気がある会場はかなり前から予約が入っている場合があるので、何時ぐらいなら借りれそうか押さえておきましょう
- 利用時間: 会場は、準備・片づけを含めて借りる必要があります。会場を使える時間を確認しておきましょう
- 広さ: TDDBCは体験型の勉強会なので、ある程度の広さのある会場が必要です。
- 机、いす: 使える机といすの数を確認します。二人で長机1台と各人に1脚の椅子があると良いでしょう。椅子が固い場合は座布団がないと長時間快適にプログラミングできないので椅子の固さも確認します
- 入館方法: 入館する際にどのようなセキュリティがあるか確認し、運営スタッフの人数を割り出しましょう。
- 飲食: 飲食が可能か確認しましょう。昼食の過ごし方や休憩の長さに影響を及ぼします
- プロジェクタ・マイク: 机の配置を考えるために、どのように画面に映すか確認しましょう。広い会場ならマイクの有無(可否)も大切です。それぞれなければ調達方法を考える必要があります。
- 電源: コンセントの数を確認しましょう。足りない場合は、電源タップを誰が(会場・運営・参加者)確保するか決めておきます
- 必要書類: 会場を借りるのに入館申請書や参加者リスト・名札が必要な場合もあるので会場利用に必要な情報は確認しましょう
後から対応しやすい項目
- ネット環境: 無線LANが使えるか、確認しましょう。また、携帯の電波が入るかも確認しておくと良いでしょう
- 照明: 部分的に制御可能か、明るさは暗すぎないか確認しましょう
- エアコン: 何時から何時まで使えるか確認しましょう。PCもあるので、熱くならないか聞いておくのも良いでしょう
- 喫煙: 喫煙場所を確認しましょう。セキュリティを通らないと喫煙できない場合には、禁煙イベントにする手もあります
- ゴミ: どのようにごみを捨てるか確認しましょう。必要ならゴミ袋を購入します。
- 有料イベント: お菓子代などの経費の捻出のために有料イベントにする場合は、有償のイベントを開催しても良いか確認を取りましょう
- トイレ: 教室からトイレまでの道を確認しておきましょう。当日どのようにアナウンスするか(口頭・張り紙)も考えておきましょう
- 撮影許可: 会場内外を撮影して良いか確認しておきましょう。
- 協賛表記: 会場を借りる際に、共催にしないといけないのか、謝辞は必要ないか確認しましょう
- ロゴ手配: 会場のロゴをサイト等で利用する場合は、ロゴの使用許可を確認しましょう
講師
TDDBCでは、最初にどなたかに基調講演として、TDDの心を説明していただくことが多いです。
@t_wadaさんのお時間をいただけるようであれば心強いですが、 お忙しいこともあるので、別の候補の方も当たってみましょう。
知人で見当たらなければ、MLでどなたかにやっていただけないか聞くのが良いでしょう。
講師のスケジュールも大切ですので、開催日は講師の方が来ることが可能で、会場が空いている日が有力候補となります。
TA
ペアプロの時間に技術的なサポートをしてくれるスタッフがTAです。
TAの方々がサポート可能な言語は異なりますので、見ていただける言語を聞いて開催言語とその按分を決定します。
TA一人が見れる人数は4,6人(1テーブル)程度にした方が良いと思いますので、TAの人数が開催規模を決める事になるでしょう。
なお、講師・TAの方の旅費・交通費をどうするかは事前に決めて置き、やっていただける方々に事前に話をしておきましょう
企画内容の決定
会場や講師・TAが決まったら、開催する人数や時期が明らかになってくると思います。 後は、全体的な流れを作り、募集サイトを作成します。
次の点を気にして、全体的な流れを組み立てましょう
- イベント開始・終了時間
- 講演・デモの長さ
- ペアプロ実習の長さ
- ふりかえりの方法・長さ
- 他のペアのレビューをするのか・方法・長さ
- 休憩時間の長さ
- 言語種類・人数
- 募集人数
- 参加者の言語経験
- 各言語における開発環境の事前準備
- 昼食の調達方法(お弁当を用意する場合は好き嫌いを聞く)
- ランチタイムLTは行うのか(その場合、誰がLTをやるのか決めましょう)
- 自己紹介の方法(ポジションペーパー)
- おやつ・のみもの
- 参加費(学割の有無)
- ポジションペーパー
- 参加者のプロフィールを共有するための資料です。参加者が編集しやすい環境を作成して当日までに記入してもらいます。募集開始前に自分でサンプルを書いておくと良いでしょう。
- 例
- Google Presentation:TDDBC仙台02
- GitHub?:TDDBC長岡1.0
- 懇親会
- 懇親会は、人数が少なければ飛び込みで行っても良いでしょうが、できれば事前に参加人数を確認しましょう
当日の内容
各地・各回でいろいろな試みが企画されていますが、1dayイベントにするのであれば、例えば次を参考にして自分たちのやりたいイベントに変えていくと良いでしょう
- 09:30 - 開場
- 10:00 - オリエンテーション
- 10:20 - 基調講演
- 11:20 - デモ
- 12:00 - 昼食
- 13:00 - ペアプログラミング1
- 14:30 - レビュー、休憩
- 15:00 - ペアプログラミング2
- 16:30 - レビュー、休憩
- 17:00 - ふりかえり
- 17:30 - クロージング
- 18:00 - 終了
募集サイト
TDDBCの募集には、DoorKeeperが多く用いられます。
サイトを作成するには、MLで、「DoorKeeperのアカウントを追加してください」と、投稿すれば管理人の方が追加してくれると思います。
後は、新規イベントを作成して、必要情報を入力しましょう。すでに多くのTDDBCが開催されているので、過去のイベントから開催したいイベントと似た状況のイベントの募集ページの内容をコピーするとよいでしょう。
会場や資料の準備
公募サイトをオープンしたら、開催のための準備を進めます。
会場準備
- 会場申請の用意
- 机のレイアウトの検討
- なるべくどの場所からもスクリーンが見やすいと良いでしょう
- 写真撮影・togetter・レポートに対応するスタッフを決める
- TAの担当分野を決め、各言語の参加人数を決める
資料準備
TDDBCであなたが講義することになっても心配はありません。 既にTDDBCに参加された人なら、どのような基調講演・講義が行われたか覚えている事でしょう。
多くのTDDBCではSlideshareに資料が公開されているので、それらを参考に準備できます。 また、TDDBC長岡1.0では、各種動画が挙げられているのでこちらも参考になります。
- 基調講演
- デモ
- 課題
デモでは、ペアで実演する人と解説の人を分けた方が参加者の人が理解しやすいかもしれません。 デモをする人は、TAやその他のスタッフを巻き込みながら開催前に決めておきましょう。
また、当日に向けて、参加者のペアの決め方を考えておきましょう。 環境構築について問題はないか確認することも大切です。
グリーンバンド
TDDBCの卒業の証と言えば、そう、グリーンバンドです。
MLで相談すれば、会場で実費(\400-\500)で配布することが可能です。
個数と受け取り方法を確認して、メールを投げてください。
- 在庫がないと1か月程度発注に必要なので、時間に余裕を見てください。
直前の確認
直前になると、会場の対応に関してこまごました案件が発生していきますが、一つずつ対応していけば難しくないでしょう。
- お弁当手配。受け取り方法の確認
- 名簿が必要であれば印刷
- 会場誘導等が必要であれば印刷
- お菓子・飲み物・コップを誰がどの程度購入するか決める
- 付箋紙・筆記用具を誰がどの程度購入するか決める
- ゴミ袋を誰がどの程度購入するか決める
- 有償の場合は、おつりを誰がどのくらい持ってくるか決める
- 有償の場合は、必要であれば領収書を準備する
- リマインドメール(1,2日前、キャンセルするならお早めに)
- スタッフの当日担当
- 懇親会予約確認
当日運営
前日はなかなか寝れないかもしれませんが、朝早く頑張って起きましょう!
準備
当日は、レイアウト変更の時間を考えながら、1時間ほど前に集まるのが良いと思います。
会場へは建物内に入ってから無理なく誘導が行われているか一度歩いて確認しましょう。
朝会をやって指揮を高めると良いかもしれません。その際に担当を再度確認しておきましょう。
受付では、ペン・名札・おつりがきちんとそろっているか確認しましょう。
イベント中
イベントが始まったら、お弁当の準備を気にしましょう。 どのような導線で歩いてもらうと選びやすく、人の衝突が起きないか気にできるとベストです。
なお、スタッフが話をしたり、うろうろしていると参加者が気になるようです。なるべく見えないところで作業しましょう。
運営としては、常に部屋の明るさや暑さを気にしましょう。お菓子や飲み物が減ってきた場合には補充しても良いかもしれません。
課題をしているときは、参加者が飽きていないか、疲れていないか気にしましょう。 集中できていない様であれば、追加で休憩を取ったり、レビューを長めにしても良いかもしれません。 また、全体的に質問がしやすい、話しやすい状態になっているか気にして、固くなっているようでしたら、会話を促すような仕込みをするのも良いかもしれません。
後日対応
イベントか終了したら、最後の仕上げです。 開催したことを協力いただいた方に報告し、当日の盛り上がりを宣伝しましょう。
- togetterをするならまとめる
- ふりかえりや写真をまとめる
- 参加者が書いたブログを確認してリンクを作成する
- http://devtesting.jp/tddbc/ を更新
- MLに終了報告
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